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木下 正弘; 成瀬 雄二
Nucl.Technol./Fusion, 2, p.410 - 425, 1982/00
核融合炉主冷却系のトリチウム回収プロセスにおける深冷蒸留システムは、1本の蒸留塔と1基の同位体平衡器から構成される。塔の途中から液の一部をサイドカットとして抜き出し、常温で操作される同位体平衡器を通過させて組成変換を行った後、再冷液化して再びフィードに戻すという特殊な構成を持っているため、厳密なシミュレーションには困難が伴う。本研究では、システムのシミュレーション問題を1変数最適化問題に帰着させ、黄金分割法を適用してその難点を解決した。解析の結果、フィード供給位置及びサイドカット抜き出し位置が塔の分離特性に比較的大きく影響すること、H・HT・Tの流れをほぼ完全にHとTの流れに分離できること、トリチウムの崩壊熱及び溶液の非理想性(ラウールの法則からはずれること)による分離性能低下の問題は、全理論段数に約30%の余裕をもたせることによって解決できることなどが明らかとなった。
木下 正弘; 成瀬 雄二
Journal of Nuclear Science and Technology, 18(9), p.718 - 726, 1981/00
被引用回数:5 パーセンタイル:58.06(Nuclear Science & Technology)多成分カスケード計算を行なうための1つの新しい解析手法を開発した。モデルは、多段フィード、多段サイドカットを考慮できる汎用性の高いもので、解析手法は、モデル式全体を同時に取り扱い、厳密解を傾斜法によって効率的に求めるものである。開発した解析手法を用いて、核融合炉燃料給排気系における水素同位体分離プロセス用に多孔質隔膜法を採用した場合を想定し、カスケードシステムの定常分離特性を解析した。分離仕様を満たすことが出来るようなシステム構成(2つのカスケードと2基の同位体平衡器から成り、2つのフィードバック流れを持つ)を考えると共に、各カスケードに対してパラメーターサーベイを行なった。その結果、上記解析手法の有用性が確認された。同時に、多孔質隔膜法は、わが国においてもかなりの技術経験があることを考えると、上記プロセス用に有望な方法の1つとして再評価する必要があるものと推定された。